essai 2013年8月


297.国立博物館の中では・・・

(8月8日更新)

 何だかポカっと暇になった。結局の所コンパスからソデクソに経営が移っても宴会の状況は全然変わらないようだ。サービスをやっているスタッフが最多忙月だった2ヶ月前「自分は以前にもソデクソグループの別の宴会場を手伝っていたが、ソデクソではこの忙しさは維持される。何故なら自分達のお客を沢山持っているから」と訳知り顔で私に解説してくれたが、私は全く信じていなかった。案の定この通りだ。首都にあるカナダ最大の博物館を舞台にした宴会場という特殊条件の前提が変わらない限り、利用者も利用時季も大きく変わる事は無い筈だ。そもそもコンパスグループもソデクソグループも同じ様な会社。やっている事もまるで同じだ。博物館側としてもソデクソに変えて良かったと大満足している事はあるまい。また数年後に契約更新となれば別の会社が引き継ぎ、同じ事の繰り返しになるだろうと言うのが私の予測だ。
 かつてカフェ・アンリ・ブルジェにいた時、蒸気機関車に提供していたコース料理が契約打ち切りになったことがあった。機関車の会社が自前の厨房を作って外注を辞めた為だ。生き残りの為の経営縮小だが結局アンリー・ブルジェも機関車の会社も倒産した。個人の会社であれば、こういうプロセスになるのはある意味当然と思えるが、博物館が自前の飲食部門を設置して、宴会からレストラン、食堂まで自分でという発想が実現される方向には中々ならないだろう。何故ならここは国立博物館であるのみならず、カナダの象徴とも言うべき場所。外国から国賓クラスの首都訪問があれば、まず間違いなく訪れる場所なのだ。面倒でリスクの大きい飲食部の総括を外注に任せておけるだけの予算は十分税金から賄われる筈。契約が切れれば、「また別の会社にすればいいや」で済んでしまう。
 まあ任された会社は必死に結果を出そうとするし、自分達は前任者よりうまくやれると思うだろうが、大きく変えられる事など何もないのが実情だ。
 ま、要するにこちらの状態は例年通り。8月いっぱいは暇で9月に入って少し持ち直すというところか・・・・。